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ラフンダ語?まだまだ沢山あるマイナー言語の存続の為に。少数民族の言語の衰退化を食い止めろ!

内山剛@外国語独学30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

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世界には私たちが知らないマイナー言語が沢山あります。

まずはメジャー言語のランキングを見てみましょう。

引用元 Britanica

分かり難いので日本語に訳して見ました。

母語話者数ですので、≒国民の数となる為普通語(マンダリン)が圧倒的に多くなるのは当然の事なのですが、おやおや、一番下に見慣れない言語名が並んでいますね。日本語と大差無い人数の母語話者数のようですが、

ラフンダ語え?だっふんだ?

早速調べて見ましたら、このような紹介がされていました。

ラフンダ語とは?

ラフンダ語(Lahnda)は、インドとパキスタンのパンジャーブ地方で話されるインド・アーリア語派の言語の総称で、特に西パンジャーブ語、サライキ語、ヒンドコ語などの方言群を指します。これらの方言は、ヒンドゥスターン語やパンジャーブ語と密接に関連しています。ラフンダー語は、主にパンジャーブ州の西部地域で話され、日常生活や文学作品、メディアで使用されています。

ラフンダー語の方言群は、言語学的には独立した言語と見なされていますが、インドではパンジャーブ語の一部と見なされることもあります。これにより、ラフンダー語の位置付けや認識は地域によって異なります。例えば、サライキ語は、独自のアイデンティティを持つ方言とされ、パンジャーブ語とは区別されることが多いです。一方、ヒンドコ語は、パンジャーブ地方北部の一部地域で広く話され、独自の文化や文学を持っています。

ラフンダー語の発展には、地域の歴史や社会的背景が大きく影響しています。パンジャーブ地方は、多様な民族や文化が共存する地域であり、これがラフンダー語の多様性を生み出しています。ラフンダー語は、口語としての使用が中心であり、書き言葉としてはパンジャーブ語やウルドゥー語が使用されることが多いです。しかし、近年ではラフンダー語の文献も増加しており、特に詩や民話などが記録されています。

インドとパキスタンの間で話されている言語なのが分かりました。と、ここで一つ気になる事が出てきました。中国の人口は約13億人前後ですので、上記の話者数は納得できます。ではインドは?インドも10億人を超える人口がいます。何故約3億人なのでしょうか?これも調べて見ました。

ソースの時期が若干違ったりするので数字が全く同じでは無いですが、なるほどヒンディー語とベンガル語で約6億人になりますね。1から10まで全て足すと約10億人になるのでほぼカバーしたと言えるのかなと思います。それにしてもインドは1つの国家の中で明確に言語が分かれていてそれぞれの人数も日本人の人口相当な言語が多数あるだけに、実質的には英語が共通言語ということになるのでしょう。

さて、今回は冒頭で述べたラフンダ語のようにあまり耳にしたことのないマイナー言語を調査して見たので紹介して見たいと思います。



ウェールズ語(ウェールズ)

ウェールズ語は、イギリスのウェールズ地方で話されるケルト語派の言語です。現在、約86万人の話者がいるとされ、ウェールズの公用語の一つとして位置づけられています。ウェールズ語は、他のケルト語と同様に、古代ブリテン島の先住民によって使用されてきた歴史を持ち、特に中世には詩や文学の発展が見られました。

ウェールズ語は、英語と並んで教育や公共サービスにおいて使用され、公式な場面でも頻繁に見られます。特に、ウェールズ語での教育を受けることができる学校も増えており、若い世代の間での言語の継承が進められています。ウェールズ政府は、言語の保護と促進に力を入れており、さまざまなプログラムや政策が展開されています。

近年、ウェールズ語はメディアや音楽、文学の分野でも活発に使用されています。ウェールズ語のテレビ番組やラジオ放送、出版物が増え、言語の存在感が高まっています。また、ウェールズ語を学ぶためのリソースも豊富で、オンラインコースやアプリが利用可能です。

しかし、ウェールズ語の話者は依然として減少傾向にあり、言語の未来には不安が残ります。そのため、地域コミュニティや家族単位での積極的な使用が求められています。ウェールズ語は、ウェールズの文化やアイデンティティの重要な一部であり、今後もその保護と振興が期待されています。

フリジア語(フリースラント地方)

フリジア語は、オランダ北部のフリースラント地方で話される言語で、ゲルマン語派に属しています。フリジア語は、英語やオランダ語と非常に近い関係にあり、特に英語との共通点が多いことが特徴です。話者数は約50万人とされており、地域の文化やアイデンティティの重要な要素となっています。

フリジア語にはいくつかの方言があり、主に西フリジア語、北フリジア語、東フリジア語に分けられます。特に西フリジア語は、フリースラント州の公式言語として位置づけられており、教育や行政においても使用されています。地域の学校ではフリジア語が教えられ、多くの学生が母語として学ぶ機会があります。

フリジア語の保護と振興には、オランダ政府の支援が不可欠です。地域の文化や伝統を守るための施策が講じられ、文学やメディアの分野でもフリジア語の使用が奨励されています。フリジア語で書かれた書籍や新聞、ラジオ番組などが増え、言語の存在感が高まっています。

しかし、フリジア語の話者は減少傾向にあり、特に若い世代の間での使用が課題となっています。言語を維持するためには、地域社会や家族単位での積極的な使用が求められています。フリジア語は、地域の文化や歴史を反映した貴重な資産であり、今後もその保存と振興が重要視されるでしょう。

マオリ語(ニュージーランド)

マオリ語は、ニュージーランドの先住民であるマオリ族が話す言語で、ポリネシア語群に属します。話者数は約50,000人とされ、ニュージーランドの公用語の一つとして位置づけられています。マオリ語は、ニュージーランドの文化やアイデンティティに深く根ざしており、独自の歴史や伝統を持っています。

19世紀以降、欧州の植民地化によりマオリ語は一時的に衰退しましたが、1970年代以降、言語復興運動が起こり、政府や地域コミュニティによる積極的な取り組みが始まりました。これにより、マオリ語を教える学校(クラスルーム・イニシアティブ)が設立され、子どもたちに母語を学ぶ機会が増えました。

マオリ語は、テレビやラジオ、出版物でも広く使用され、文化イベントや祭りでも重要な役割を果たしています。例えば、マオリ語のテレビチャンネルやラジオ番組が放送され、地域の人々に言語の普及が図られています。

しかし、若い世代の間でのマオリ語の使用は依然として課題となっています。言語の存続には地域社会や家庭での使用が重要であり、多くの活動やイベントが言語復興を支えるために行われています。また、ニュージーランド政府は、マオリ語の教育を義務化し、公共の場での使用を促進しています。

マオリ語は、ニュージーランドの文化遺産として非常に重要な存在であり、その保護と振興が今後も期待されています。

ここからは衰退した、あるいは衰退しつつある言語をまとめてみます。

エトルリア語

エトルリア語は、古代イタリア半島のエトルリア人によって話されていた言語で、インド・ヨーロッパ語族に属さない独自の言語です。エトルリア語は主に紀元前8世紀から紀元前1世紀頃まで使用されており、古代ローマの台頭とともに次第に衰退しました。

エトルリア語は、エトルリア文字という独特な文字体系で記録されており、主に墓碑銘や宗教的な文書に見られます。遺跡から発見されたエトルリア語の碑文や陶器には、約13,000の単語が確認されており、これによって言語の一部が解明されていますが、未解読の部分も多く、完全な理解には至っていません。

エトルリア語の特徴としては、豊富な名詞の屈折形と、動詞の活用が挙げられます。語順は比較的自由であり、主語-動詞-目的語の構造が一般的ですが、文脈に応じて柔軟に変化します。また、エトルリア語には独自の神話や宗教体系が存在し、多くの神々の名前や祭りの名称が記されています。

エトルリア語は、エトルリア文明の文化や社会に深く結びついており、後のローマ文化に影響を与えたと言われています。特に、エトルリア人の葬祭習慣や美術、政治体制はローマに取り入れられました。

エトルリア語は現在、学術的な研究の対象となっており、言語学者や考古学者によって解読が進められていますが、完全な理解にはまだ多くの課題が残されています。エトルリア語の研究は、古代イタリアの歴史や文化を知るための重要な手がかりとなっています。

ゲルマン語群の一部

ゲルマン語群は、インド・ヨーロッパ語族に属する言語群で、主に北欧、ドイツ、オランダ、イギリスなどで話されています。この言語群は大きく分けて、北ゲルマン語、西ゲルマン語、東ゲルマン語の三つのグループに分類されます。

**北ゲルマン語**には、スカンジナビア諸国で話されるスウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、アイスランド語などが含まれます。特にアイスランド語は、古代ノルド語に近い形を保っており、古い文献を理解するための貴重なリソースです。

**西ゲルマン語**は、英語、ドイツ語、オランダ語、フリジア語などを含みます。英語は、ゲルマン語群の中でも最も広く話されている言語であり、国際的なコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしています。ドイツ語も、文学や科学の分野で大きな影響を持っています。

**東ゲルマン語**は、主にゴート語が知られていますが、他の言語はほとんどが消滅してしまいました。ゴート語は、4世紀から6世紀にかけて使用され、聖書の翻訳に用いられたことでも知られています。

ゲルマン語群は、音韻変化や文法の発展において独自の特徴を持っています。例えば、母音の変化(アフリカン音)や、強弱アクセントの体系は、他のインド・ヨーロッパ語と異なる点です。これらの言語は、文学、歴史、文化においても深い関わりを持ち、多くの民族のアイデンティティの形成に寄与してきました。

ゲルマン語群は、言語学や文化人類学の研究において重要なテーマであり、その研究は現代社会における言語の多様性や変遷を理解する手助けとなります。

アボリジニの言語(オーストラリア)

アボリジニの言語は、オーストラリアの先住民であるアボリジニが話す多様な言語群で、約250の異なる言語が存在します。これらの言語は、地域によって異なり、文化や伝統に深く根ざしています。言語の多くは、特定の部族やコミュニティに特有であり、各言語は独自の音韻、文法、語彙を持っています。

アボリジニの言語は、数千年にわたり伝承されてきましたが、19世紀以降の植民地化や都市化により、多くの言語が衰退の危機に直面しています。特に、教育システムが英語中心であるため、若い世代が母語を学ぶ機会が減少しており、言語の存続が懸念されています。

近年、アボリジニの言語復興運動が活発化し、地域コミュニティや政府の支援を受けて、言語教育や文化の復興が進められています。学校でアボリジニの言語を教えるプログラムが増え、言語を話す機会を提供する取り組みが行われています。また、アボリジニの文化イベントやアート、音楽などを通じて、言語への関心を高める活動も展開されています。

アボリジニの言語は、単なるコミュニケーション手段ではなく、先住民の文化やアイデンティティを表現する重要な要素です。言語を通じて伝承される知識や習慣、世界観は、アボリジニの生活様式や社会構造を理解する上で欠かせないものです。

今後もアボリジニの言語の保護と振興が求められており、持続可能な方法でその伝統を次世代に引き継いでいくことが重要です。

まとめ

マイナー言語は、特定の地域やコミュニティで話されるが、話者数が少ない言語を指します。これらの言語は、地域の文化やアイデンティティを支える重要な要素ですが、グローバル化や英語の公用化が進む中で、厳しい状況に置かれています。

英語は多くの国で公用語として広がり、教育やビジネス、メディアの場で圧倒的な地位を占めています。このため、若い世代は英語を学ぶことが重視され、母語を学ぶ機会が減少しています。結果として、マイナー言語の使用は衰退し、多くの言語が消滅の危機に直面しています。

さらに、少数民族の人口減少も深刻な問題です。都市化や経済的な理由から、少数民族のコミュニティが縮小し、言語や文化の継承が難しくなっています。これにより、マイナー言語を話す世代が減少し、言語が消えつつあるのです。

個人的な話ですが私はラグビー経験者ということもあり、オセアニア地域、とりわけニュージーランドのマオリ語やオーストラリアのアボリジニの言語が失われる様を見るのは正直辛いです。言語はその国あるいは地域のアイデンティティと言っても過言ではないと思います。

各地域のコミュニティが何とか母語を存続させるべく奮闘していることと思いますが、政府や企業等より規模の大きな流れで支援の流れが生まれる事を願っています。



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