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中国語の四声はなぜ難しい? 発音の壁を乗り越えるコツ

内山剛@外国語独学30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

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こんな方におすすめ

  • 中国語学習を始めたばかりで四声に苦戦している人
  • 単語は覚えられるのに発音が通じず悩んでいる人
  • ネイティブに自然に聞こえる発音を身につけたい人

中国語学習者にとって、最初にぶつかる大きな壁が「四声」です。日本語には存在しない音の高低差を使い分ける必要があり、単語の意味が声調によってまったく変わってしまいます。

私自身も学び始めた頃、四声が原因で「馬」と「罵」を言い間違え、相手に苦笑された経験があります。では、なぜ四声はこんなにも難しいのか、そしてどうすれば克服できるのでしょうか。


四声が難しい理由 ― 日本語にない音の感覚

中国語の四声が学習者にとって難しい最大の理由は、「日本語には声調の概念がない」ことです。日本語にも「アクセント」はありますが、それは単語全体の抑揚であり、中国語のように一音一音に高さの違いを明確につける必要はありません。たとえば「mā(媽=母)」「má(麻=麻)」「mǎ(馬)」「mà(罵)」は、すべて「ma」という同じ音節ですが、声調が異なるだけで意味は全く別物になります。日本語話者にとっては、これを瞬時に聞き分け、発音し分けるのが至難の業なのです。

さらに、日本人にとって「声を高く保つ」「音を下げる」「一度下げて上げる」といった動きは、歌や演技では自然にできても、日常会話の中では意識して行うことが少ないため、脳にとって新しい運動パターンになります。これが「頭では理解できても、口がついていかない」という状態を生むのです。

私自身も学習初期に「三声」を特に苦手としました。音を下げてから上げる動きが不自然で、気づけばただ低く発音してしまい、相手に「別の意味」に聞こえることが何度もありました。つまり、四声の難しさは単なる発音練習の問題ではなく、脳と口の協調動作の再構築が必要になる点にあります。

加えて、日本人学習者の多くは「四声を意識しすぎて会話がぎこちなくなる」という罠にも陥ります。正しい声調を意識するあまり、自然なリズムやイントネーションが失われ、逆に不自然に聞こえてしまうのです。ここに「四声の壁」の本質があると言えます。


克服の第一歩 ― 耳を鍛え、真似ることから始める

四声を克服するための第一歩は「耳を鍛えること」です。発音を正しく出す前に、まずは正しく聞き分けられなければなりません。私が効果を実感したのは、ネイティブの発音を毎日聞き、声調だけを意識してシャドーイングする練習でした。意味を理解するよりも「音の高低差」を体に染み込ませることを優先すると、少しずつ聞き分けられるようになります。

また、学習初期は「四声の記号」をただ覚えるのではなく、実際の音声とセットで記憶することが重要です。ピンインの上に記された符号だけを頼りにしても、実際の音と一致しなければ使えません。私は毎朝、発音教材を聞きながら、声調を大げさに真似して発音する練習を繰り返しました。特に三声は「低く落とす→一気に上げる」と大げさに練習することで、実際の会話では自然なイントネーションに収まりました。

もう一つのポイントは「短い単語を繰り返すこと」です。例えば「妈 mā(母)」「马 mǎ(馬)」「骂 mà(罵)」のように一音節で違いが出る単語を100回単位で繰り返す。これを続けることで、脳と口がようやく四声に慣れていきます。正直、退屈な練習ですが、この積み重ねが一番効きました。

さらに、ネイティブに矯正してもらうことも効果的です。私はオンライン中国語レッスンで、先生に「その三声は低すぎる」「四声の下げ方が弱い」と毎回指摘を受けました。自分の耳では正しく発音しているつもりでも、他人の耳には違って聞こえることは多々あります。客観的なフィードバックを受けることで、修正のスピードは格段に上がります。


会話の中で自然に使う ― 四声練習を日常に取り入れる

四声を本当に身につけるには、単語練習を超えて「会話の中で使う」ことが不可欠です。私自身、単語練習ではある程度できるようになっても、実際の会話になると崩れてしまい、結局相手に「もう一度言って」と言われることが続きました。そこで取り入れたのが「日常生活に中国語を組み込む」方法です。

例えば、家の中の物に中国語ラベルを貼り、声に出して読むときに必ず四声を意識しました。「书 shū(本)」「桌子 zhuōzi(机)」など、身近な単語を繰り返し口にすることで、声調が少しずつ自然になっていきました。

また、文章を声に出して読む音読練習も効果的です。特に子供向けの短い絵本や簡単な会話文は、声調のリズムを身につけるのに最適でした。私は毎晩5分だけ音読する習慣をつけ、それを録音して翌日聞き返しました。自分の声を客観的に聞くことで「思った以上に三声が上がっていない」「四声の下げ方が弱い」と気づけるようになったのです。

さらに、実際の会話で「間違える勇気」を持つことも大切です。中国語では四声が違うと意味が変わりますが、文脈で理解してもらえることも多々あります。完璧を求めすぎて口が止まるより、多少間違えても話し続ける方が上達は早いと実感しました。特に現地での旅行中、勇気を出して四声を気にせず話しかけたことで、「あなたの中国語わかりやすい」と言ってもらえたのは大きな自信になりました。

最終的に四声は「頭で考えなくても口から自然に出る」状態を目指す必要があります。そのためには、机上の学習ではなく、日常生活に組み込んで反復練習することが何よりの近道なのです。


FAQ

Q1. 四声を間違えると必ず通じないのですか?
A. 場合によります。意味が大きく変わる単語もありますが、文脈で理解してもらえることも多いです。

Q2. 四声は独学で克服できますか?
A. 独学でも可能ですが、ネイティブのフィードバックを受けると修正が格段に早まります。

Q3. 四声練習はどれくらい続ければ効果が出ますか?
A. 個人差はありますが、毎日10分でも3か月続けると発音が安定してくる人が多いです。

まとめ

中国語の四声が難しいのは、日本語に存在しない「音の高低差」を使い分ける必要があるからです。特に日本人学習者は三声や四声でつまずきやすく、会話のリズムがぎこちなくなることもあります。しかし、耳を鍛えて正しく聞き分けること、短い単語を繰り返し発音すること、ネイティブに矯正してもらうことによって、少しずつ改善できます。

そして最も大切なのは、日常の中で自然に四声を使う練習を積み重ねることです。間違えても気にせず話すことで自信がつき、やがて四声は「考えなくても出てくる」状態になります。私自身も失敗を繰り返しながら、このプロセスを通じて四声の壁を少しずつ乗り越えてきました。学習者にとって四声は避けて通れない課題ですが、工夫次第で確実に克服できるのです。

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