本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります。 外国語発信

地方発・多言語発信の時代:ローカルを世界へ届ける“語学ブランディング”

内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

詳しい経歴に関しては定期的に記事を書いていますのでよかったらご覧ください。

中国語学習の無料相談会を定期的に開催していますので、良かったらTwitter(X)をご覧頂けると嬉しいです。

このブログを通じて皆様のお役に立てたらと思っています。

こんな方におすすめ

  • 英語や中国語を学んできたが、使う機会が少ないと感じている人
  • Instagram・小紅書(RED)・YouTubeなどで、自分の地域を紹介してみたい人
  • 地方に住んでいても、語学力を活かして世界とつながりたい人

インターネットとAIの進化によって、いま“地方から世界に情報を発信する”ことが、かつてないほど現実的になりました。
YouTube・Instagram・小紅書(RED)などのSNSを通じて、都市にいなくても海外の人々とつながれる。
さらにAI翻訳の精度が上がったことで、語学の壁もどんどん低くなっています。

そんな中で注目されているのが「多言語発信によるローカルブランディング」です。
私は山口県で通訳案内士として活動していますが、地域の歴史や文化を外国人に紹介するたび、
「東京や京都じゃないのに、こんなに面白い場所があるのか!」という反応を何度も受けてきました。
実際、外国人旅行者が求めているのは“情報”ではなく、“発見”です。

つまり、地方にはまだ世界に知られていない宝が眠っており、
その魅力を伝える手段として“語学”が最大の武器になる時代が来ているのです。


「翻訳」ではなく「翻意」──伝える力が地方を動かす

地方の発信を考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「正確に翻訳すること」です。
もちろん、正しい文法や自然な表現は大切です。
しかし本当に心を動かすのは、「何をどう感じてほしいか」まで伝える力──つまり“翻意”です。

たとえば、私は観光ガイドの現場で外国人に「日本の静けさ」を紹介することがあります。
このとき単に“quiet”や“peaceful”と言うだけでは、響かないことが多い。
「日本では“静けさ”が心を整える時間であり、神社の静寂には意味がある」と伝えた瞬間、
相手の表情が変わるのを何度も見てきました。

これは単なる言葉の問題ではなく、文化の背景を共有する力です。
翻訳アプリがどれだけ進化しても、“その土地の空気や想い”までは再現できません。
だからこそ、地方発信では「何を伝えるか」よりも「どう伝えるか」が重要なのです。

地元の人にとって当たり前の習慣や方言、生活リズムの中にこそ、
海外の人が共感する“リアルな日本”があります。
それを「翻意」で表現できる人が、これからの地方ブランディングを動かします。


SNS×語学=最強の発信ツール

いま、地方発信における最大の武器はSNSです。
Instagram、TikTok、小紅書(RED)、YouTubeなどを駆使すれば、
東京に住んでいなくても世界中に発信できます。

特に小紅書(RED)は、中国語圏ユーザー向けの発信に最適です。
「#日本旅行」「#温泉」「#地方の美食」といったハッシュタグを活用すれば、
山口県のような地方でも数万人単位のリーチを得ることが可能です。
実際、私が投稿した“山口県の小さな温泉街”を紹介した動画は、
中国本土・台湾・香港のユーザーから多くの反応を得て、
「次回の訪日で必ず行きたい」とコメントをもらったこともあります。

語学力がある人にとってSNSは、発信力×信頼性を掛け算できる舞台です。
ただ「きれいな風景」を載せるだけでなく、
「その背景にある文化や価値」を多言語で説明できる──これが大きな差になります。

さらに、AI翻訳や音声入力を使えば、英語・中国語・日本語を同時に発信することも容易です。
つまり、語学を使って“発信の幅”を広げることこそ、地方発信の本質なのです。


ローカル×語学で“唯一無二”のポジションを築く

大都市では観光情報が溢れています。
でも、地方には“まだ翻訳されていない物語”が無数に残っています。

山口県を例に挙げれば、幕末維新の志士たちが歩いた道、
地元の漁港で味わう旬の魚、
古くから続く温泉宿や商店街など、
どれも外国人には未知の世界です。

私は通訳案内士として外国人を案内する際、
「この坂道を維新の志士たちが歩いた」と話すと、
ただの風景が“歴史の体験”に変わります。
これこそが語学が持つ“物語化の力”です。

そして地方には、そうした「物語の原石」が無数に眠っています。
地元の人が“普通”だと思っていることが、
外国人にとっては最も魅力的なポイントになる。

語学とは、その魅力を磨き上げる“翻訳の道具”ではなく、
価値を再発見するレンズなのです。


語学発信を「収益と信用」に変える方法

語学と発信を組み合わせると、「趣味」だった情報発信が「ビジネス」に変わります。
例えば:

  • 地域観光を多言語で紹介し、ツアー依頼や通訳業務に発展

  • 外国人学習者に日本文化を教え、教材や講座を販売

  • 地場産品を多言語で紹介し、海外販売や取引につなげる

私自身もInstagramやRED経由で、
外国人旅行者から「山口県を案内してほしい」「ローカルな宿を紹介してほしい」といった依頼を受けることがあります。
このように発信を通じて**“信頼 → 相談 → 仕事”**という流れが自然に生まれるのです。

語学を生かした発信は、単なる情報提供ではなく、共感の販売です。
そしてその共感こそが、次の仕事やリピーターを生む最大の資産になります。
これからの時代、発信できる人=信用を生み出せる人、という方程式が成り立つのです。


これからの時代は「地方×語学×人間味」

AI翻訳がどれほど進化しても、人の温度までは再現できません。
“ありがとう”という一言に込める感情、
旅先での何気ない会話、
地元の人の笑顔──
それらを「言葉」で伝えられるのは、人間だけです。

地方に暮らしながら語学を生かす人は、
情報を翻訳するだけでなく、文化を翻訳する架け橋になれます。
完璧な英語や中国語を話す必要はありません。
むしろ、あなたの地域でしか語れないエピソードこそが、最大のコンテンツになります。

観光、教育、ビジネス──どんな分野でも“言葉で伝える力”が価値を持つ。
そして、地方にいるからこそ磨ける“人間味ある語学力”が、これからの日本の武器になるのです。


🧭 まとめ

地方から世界へ。
それはもはや夢ではなく、誰もが挑戦できる現実です。
AIとSNSが整った今こそ、語学力を“地域の魅力を伝える手段”として使う時代。

あなたの経験・方言・文化・生き方──
それを英語や中国語で発信するだけで、
日本の知られざる一面を世界に紹介できます。

語学を「勉強」で終わらせず、「発信の力」として使う。
それが、AI時代の地方ブランディングにおける最強の生存戦略です。
そして何より、あなた自身の言葉が、地域と世界をつなぐ架け橋になるのです。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

詳しい経歴に関しては定期的に記事を書いていますのでよかったらご覧ください。

中国語学習の無料相談会を定期的に開催していますので、良かったらTwitter(X)をご覧頂けると嬉しいです。

このブログを通じて皆様のお役に立てたらと思っています。

-外国語発信