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外国語を学ぶと性格が変わる? 言語と人格の不思議なリンク

内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

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こんな方におすすめ

  • 外国語を学んで「自分が変わった」と感じる人
  • 恋愛や人間関係で柔軟性を高めたい人
  • 自分の性格の幅を広げ、新しい可能性を見つけたい人

「英語を話すときは積極的になる」「中国語を使うと礼儀正しく感じる」といった声を耳にしたことはありませんか?外国語を学ぶと性格が変わったように感じるのは、多くの学習者に共通する現象です。

実は、言語には思考や人格を変化させる力があり、文化的背景や表現方法が私たちの内面に影響を与えているのです。ここでは、なぜ言語が性格に影響するのか、そのメカニズムを深掘りしていきます。


言語が思考を形づくる ― 言語相対論と性格変化の関係

言語が思考を形づくるという考え方は「言語相対論」と呼ばれ、20世紀初頭から言語学や人類学で議論されてきました。簡単に言えば、「人は自分が使う言語によって世界の捉え方が変わる」という理論です。例えば、英語では主語を必ず明示する必要がありますが、日本語では省略が自然です。この違いは「自己主張をはっきりさせる文化」と「状況に応じて空気を読む文化」という性質を強調し、話すときの自分の態度やキャラクターに影響を与えます。

実際に多くの学習者が「英語を話すときは大胆になれる」と語ります。これは、英語の表現が短く明快で、相手に直接伝えることを前提としているためです。逆に日本語では曖昧さを含む表現が多く、「角を立てない」ことを重視する文化が反映されています。このため、日本語を話すときは自然と控えめな性格が表に出やすいのです。

さらに、色彩表現や感情表現にも言語の影響が見られます。ある言語では「青」と「緑」を明確に区別しますが、別の言語では同じ語で表す場合があります。感情に関しても、日本語の「寂しい」は英語に完全に対応する単語がなく、英語では「lonely」「missing you」「sad」のように分化して表現されます。言葉の選択肢が違うことで、感情の捉え方や伝え方も変わり、それが積み重なることで「性格が変わったように感じる」のです。

つまり、外国語を学ぶことで「その言語が持つ思考フレーム」を借りることになり、結果として普段とは異なる性格的側面が引き出されるのです。これは二重人格ではなく、「言語が与える影響で異なるキャラクターを演じている状態」と言えます。


新しい言語は新しい人格 ― 外国語学習が生む「別の自分」

外国語を学ぶと、自分の中に「別の人格」が芽生えると感じる人は多くいます。これは心理学的に「言語とアイデンティティの関係」として説明されます。言語は単なるコミュニケーションの手段ではなく、「その言語を話す自分」という役割を形成します。そのため、第二言語を使うときは「母語の自分」とは異なるキャラクターを自然に演じてしまうのです。

例えば、普段は内気で控えめな人でも、英語を話すときは自信を持って積極的に発言できるケースがあります。これは英語が「自己表現を促す言語」であり、「意見を言わないことは存在感の欠如」とみなされやすい文化だからです。逆に、中国語を使うときには「上下関係や礼儀」を意識する表現が多く、話し手の態度も礼儀正しくなる傾向があります。このように、言語ごとの文化的規範が、学習者の性格的側面を引き出しているのです。

また、外国語を使うと「母語の枠から解放される」という感覚を持つ人もいます。母語での自分は、家族や社会から形成された固定的な人格に縛られていますが、第二言語ではその制約が薄まり、新しい自分を自由に表現できるのです。たとえば、日本語では恥ずかしくて言えない「愛してる」も、英語なら自然に「I love you」と言える。これは言語が与える心理的な解放感であり、恋愛や人間関係において「大胆な自分」「素直な自分」を演出できるのです。

このように、外国語を学ぶことは「もう一人の自分」を発見する行為でもあります。複数の言語を操る人は、その分だけ多様な人格を持つことになり、状況に応じて柔軟に切り替える力を養っています。これは恋愛や仕事など、さまざまな場面で強力な武器になります。


異文化体験が性格を広げる ― 共感力・柔軟性・挑戦心の育成

外国語を学ぶ過程では必ず「異文化」に触れることになります。この異文化体験こそが性格に大きな影響を与えます。言語を学ぶことで、自分の常識が世界の常識ではないことを知り、「違いを受け入れる力」が身につきます。

例えば、日本では初対面の人に深い質問をするのは失礼とされますが、欧米では「家族構成は?」「仕事は?」といった質問が会話の入口になります。こうした違いを経験すると「自分の基準が絶対ではない」と理解し、人との関わり方に柔軟性が生まれます。恋愛においても、相手の価値観が自分と違っても受け入れる度量が育ち、関係が安定しやすくなるのです。

さらに、異文化理解は「共感力」を育てます。母語圏外で生活すると「言葉が通じない」「誤解される」といった経験を繰り返します。このとき、相手の立場に立って考える姿勢が自然と身につきます。恋愛では「相手の気持ちを察する力」として発揮され、より深い関係性を築く助けとなります。

また、異文化体験は「挑戦心」も養います。慣れない環境で新しい言語を使うのは勇気が必要です。その経験を積むことで「失敗を恐れず挑戦する性格」が強化されます。これは恋愛においても積極性として表れ、「思い切って告白する」「素直に気持ちを伝える」といった行動につながるのです。

このように、外国語学習は人格を狭めるどころか、むしろ多面的に広げていきます。共感力・柔軟性・挑戦心といった性格的な成長が、恋愛や仕事など人生全般において強みとなっていくのです。

FAQ

Q1. 外国語を学ぶと本当に性格が変わるのですか?
A. 完全に別人になるのではなく、言語の影響で普段は出ない側面が引き出される形です。

Q2. 複数の言語を話す人は性格が増えるのですか?
A. 「人格が増える」というより、場面に応じて柔軟に異なる側面を使い分けられるようになります。

Q3. 性格が変わるのは一時的ですか?
A. 学習や生活の中で積み重なると、その側面が定着し、長期的な性格の変化につながることもあります。


まとめ

外国語を学ぶことで性格が変わったように感じるのは、多くの学習者に共通する現象です。そこには「言語が思考を形づくる力」「第二言語が新しい人格を引き出す作用」「異文化体験が柔軟性を育てる効果」という三つの要因が存在します。英語を話すと積極的になり、中国語を話すと礼儀正しくなるなど、言語の違いが態度や性格に影響を与えるのは自然なことです。

これは二重人格ではなく「言語を通じて別の側面が引き出されている」状態です。結果として、共感力や挑戦心が育ち、人間関係や恋愛においてもプラスに働きます。つまり、外国語学習は単なるスキル習得ではなく、自分を広げ、新しい自分を発見する旅でもあるのです。

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