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専門性×言語力で差をつける:実用・目的特化型の外国語学習

内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

詳しい経歴に関しては定期的に記事を書いていますのでよかったらご覧ください。

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このブログを通じて皆様のお役に立てたらと思っています。

こんな方におすすめ

  • 語学学習を“キャリア戦略”として再構築したい人
  • 「AIに置き換えられない働き方」を探している人
  • 語学を「目的」ではなく「仕事の武器」にしたい人

「語学を目的」ではなく「語学で成果を出す」時代へ

かつて語学学習といえば、「英語が話せるようになりたい」「中国語のニュースを理解したい」というように、言語そのものが最終目標でした。
しかし、AI翻訳の精度が向上した今、「ただ話せる」だけではビジネスの武器にならなくなっています。ChatGPTやDeepLのような翻訳ツールがあれば、文章の読み書きや基本的な会話は誰にでも可能です。
だからこそ今、求められているのは**「語学を使って結果を出せる人」**です。

たとえば私自身、通関業務に携わっていた頃は、輸入書類一つでも国ごとに求められる書式や表現が微妙に異なり、翻訳アプリでは対応できない“現場の文脈”が多くありました。
取引先の中国企業と交渉する際には、単に単語を並べるのではなく、相手の国民性や文化的背景を踏まえた言い回しが求められます。
「No」をストレートに言わず、“相手の顔を立てながら断る”ような表現。これはAIには不可能な、人間の言語感覚の領域です。

つまり、今の語学学習は“目的を達成するための手段”であり、語学を中心に据えるのではなく、**「語学×専門スキル」**という構図で初めて生きる時代になったのです。


専門性と結びつけて「掛け算の強み」をつくる

語学を「単体のスキル」として磨くよりも、自分が持っている専門分野と掛け合わせることで、強力な差別化が生まれます。

たとえば私は、通訳案内士(英語・中国語)の資格を取得して以降、山口県の観光地を外国人向けに案内する仕事もしています。
このとき、単に英語で話すだけでは価値は生まれません。
地域の文化的背景を理解し、「なぜ日本人はこのような風習を大切にしているのか」「災害時にどう行動すべきか」といった説明を外国語でできると、ガイドとしての信頼度は格段に上がります。
つまり、語学力+地域知識+人間性の三位一体があって初めて「通訳案内士」として成立するのです。

同様に、輸入ビジネスでも語学の力は絶大です。
現地の1688(中国のBtoBサイト)やタオバオで交渉する際、中国語で細かい仕様確認や数量調整ができる人は少数派です。
「納期を守ってもらう」「品質クレームを穏やかに伝える」「再発防止策を約束させる」——
これらのやりとりを中国語でスムーズに行えるだけで、信頼関係の質が変わります。
語学は単なるツールではなく、**“現場で信用を得る力”**なのです。

さらに、あなたのように複数の分野(輸入・通訳・教育・アウトドアなど)を横断して活動している人ほど、語学の応用範囲は無限に広がります。
一見関係のなさそうなスキル同士が、語学を軸に繋がることで、新たなビジネスモデルが生まれるのです。


ニッチ分野こそ、語学との相性がいい

今の語学学習のトレンドは「メジャー」から「ニッチ」へとシフトしています。
英語や中国語の基礎だけでなく、特定の文化・業界・価値観と結びついた語学が注目されています。

たとえば私の周囲でも、

  • 「アウトドア×英語」でキャンプ観光客向けの案内をする人

  • 「発酵食×フランス語」で日本文化を紹介する人

  • 「介護×ベトナム語」で技能実習生を支援する人
    こうした“マイクロ分野”の語学人材が増えています。

私自身もアウトドア用品や防災グッズを販売しており、海外のバイヤーや個人客と英語・中国語でやり取りする機会が多くあります。
その中で気づいたのは、「専門知識を持つ人が外国語を話せると、圧倒的に信頼される」ということです。
「防水性能」「結露対策」「キャンプ中の安全指導」などを外国語で説明できると、それだけで“専門家”としてのブランドが確立します。

また、地域限定通訳案内士として活動する中で、山口県の観光を多言語で発信した経験からも、ローカル情報の発信には語学が欠かせないと感じています。
大都市の情報はすでに飽和していますが、地方から発信する「生活感のあるリアルな言葉」は、外国人にとって非常に新鮮です。
ニッチ分野だからこそ、語学が“伝える力”として生きるのです。


「AIにできないこと」を言語で表現する力

AI翻訳がいくら進化しても、機械が理解できないものがあります。
それは、文脈と感情と文化の行間です。
たとえば、ビジネス交渉において「この話は社長に相談してから改めてご連絡します」という日本語を、英語や中国語に直訳すると、“意思決定が遅い”という印象を与えることがあります。
しかし、文化的背景を理解していれば、柔らかく、関係を保つための表現に変換できます。
これこそが“人間にしかできない言葉の使い方”です。

また、観光現場では「日本の神社で手を合わせる理由」や「温泉でのマナー」など、AIが説明しても伝わらない“心のニュアンス”を、言葉で届ける必要があります。
機械が情報を翻訳する時代だからこそ、人間が伝える「温度」「敬意」「余白」がより重要になっているのです。
語学を学ぶ目的が「完璧な文法」ではなく、「相手に安心感を与える表現」に変わりつつあるとも言えます。


実践の場でこそ伸びるのが「目的型学習」

語学は、教科書やアプリで学んでいるだけでは身につきません。
最も効果的に成長するのは、「必要だから使う」環境です。
私が中国語を飛躍的に伸ばせたのも、中国輸入ビジネスで現地バイヤーとチャットし続けていた時期でした。
わからない単語が出てきても、即座に調べて使う。
相手の返答に感情が乗ると、自然と語彙のニュアンスまで覚えていく。
こうした実践の積み重ねが、机上の勉強を何倍も上回ります。

また、SNSでの発信も実践の場として有効です。
インスタやYouTubeで外国人に向けて発信を始めると、コメント欄で自然に多言語交流が生まれます。
「自分の言葉が誰かに届く」という経験は、何よりの学びになります。
目的があるからこそ、語学は加速度的に成長するのです。


まとめ

これからの時代、語学は単なるスキルではなく、「専門性を拡張するための鍵」です。
通訳案内士、輸入通関、教育、アウトドアなど、あなたがこれまで築いてきた経験は、すべて“語学で再定義”できます。
AIがどれだけ進化しても、人間の温かみや現場感は言葉を通じてしか伝わりません。
だからこそ、「語学を目的ではなく、手段として使う人」が、これから最も評価されていくでしょう。

語学を“知識”で終わらせず、行動と専門性を伴う武器として磨く。
それが、2025年以降の“生き残る語学学習”の形です。

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内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
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現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

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