こんな方におすすめ
- これからHSKを受験しようとしている初学者
- 単語は覚えたのに得点が伸びないと悩んでいる人
- 試験で緊張して実力を出せない人
中国語学習者にとって避けて通れないのが HSK(汉语水平考试) です。私自身も数年前に挑戦し、勉強法を模索する中で数々の失敗を経験しました。その一方で「これは役立った!」という実感を得られた学習法もあります。
この記事では、私の受験体験をもとに、HSK対策に効果的だった方法と反省点を具体的にお伝えします。
目次
語彙とリスニング対策 ― コツコツ積み上げた努力が効果を発揮した
HSKの大きな特徴は、レベルごとに「合格ラインが明確に設定されている」ことです。たとえばHSK4級なら約1200語、HSK5級なら約2500語の語彙力が必要とされます。私が最初に取り組んだのは、この「語彙の積み上げ」でした。単語帳をただ暗記するのではなく、実際の文脈で使いながら覚えることを徹底しました。
具体的には、例文を音読し、発音アプリを使って声調やイントネーションをチェック。さらに、覚えた単語は翌日に必ず復習し、1週間後・1か月後に再確認する「反復法」を取り入れました。最初は面倒でしたが、確実に定着度が上がり、試験本番でもリーディングで「あ、これ覚えたやつだ!」という瞬間が多くありました。
リスニングについては、当初「聞き流し」でどうにかなるだろうと考えていましたが、結果は散々でした。問題形式に慣れていなかったため、スピードに追いつけず混乱したのです。そこで改善したのが「精聴」です。過去問の音声を使い、一文ずつ止めて書き取りを行い、その後スクリプトと照らし合わせる。これを繰り返したことで、耳が中国語のリズムに慣れ、本番では7割以上聞き取れるようになりました。
つまり「語彙の積み上げ」と「精聴」は、HSK対策で最も効果があった学習法でした。
模試と時間配分 ― 本番で痛感した失敗と改善点
私が最も後悔したのは、「模試を十分にこなしていなかった」ことです。単語やリスニングはある程度できても、実際の試験では時間制限の中で処理する力が求められます。特にリーディングでは、文章の長さに圧倒され、時間切れで最後の大問に手をつけられないという失敗をしました。
その経験から気づいたのは、過去問や模試を使って実戦形式で練習することの重要性です。単に知識を詰め込むだけでなく、「制限時間内にどこまで解けるか」を体感しなければ、本番で実力を発揮できません。私は受験2回目の前に、週に1回は必ず模試を解き、間違えた問題は徹底的に分析しました。これにより、時間配分の感覚が身につき、焦らず問題に取り組めるようになりました。
また、作文(ライティング)についても準備不足が目立ちました。HSKでは「語順」と「文法の正確さ」が特に重視されますが、私は単語力に頼りすぎ、文章を正しく組み立てる練習を怠っていました。試験後に答案を見返すと、語順の誤りが多く、減点対象になっていたのです。この失敗から学んだのは、短文作文の繰り返し練習の必要性です。毎日5分でも、中国語日記を書くなどして「アウトプットの習慣」をつけることが、ライティング対策として効果的でした。
結論として、模試と時間配分を軽視したのは大きな失敗でしたが、改善すれば得点が安定する部分でもあります。
精神面と当日の戦略 ― 成功と失敗を分けたメンタル管理
最後に触れたいのが、精神面の重要性です。初めてHSKを受験したとき、私は緊張のあまり頭が真っ白になり、リスニングの最初の数問を聞き逃してしまいました。中国語は一度聞き逃すと戻れないため、序盤の失点が大きく響きました。この経験から、本番で落ち着いて臨むメンタルの準備が不可欠だと痛感しました。
そこで取り入れたのが「模試を本番と同じ環境で解く」ことです。机にタイマーを置き、試験と同じ時間割で練習することで、本番の緊張感に慣れることができました。また、試験前夜は新しい勉強をせず、復習と睡眠を優先しました。これにより、受験2回目では冷静に問題に取り組め、実力を発揮できました。
さらに大事なのは「捨てる勇気」です。すべての問題に完璧に答えようとすると時間が足りません。私は難しい問題に時間をかけすぎ、後半で焦るという失敗を繰り返しました。改善後は「わからない問題は即スキップして次に進む」戦略を取り、本番では安定して得点できました。
このように、HSKは知識や技術だけでなく、精神面の準備も合否を左右します。緊張対策と戦略的な取り組みが、結果を大きく変えるのです。
FAQ
Q1. HSK対策は何から始めればよいですか?
A. 語彙の積み上げとリスニング精聴が最優先です。基礎力がそのまま得点に直結します。
Q2. 過去問はどのくらい解いた方がいいですか?
A. 最低でも5回分は本番と同じ条件で解くことをおすすめします。
Q3. 独学でもHSK合格は可能ですか?
A. 可能ですが、ライティングや発音矯正は第三者のフィードバックを受けた方が効率的です。
まとめ
HSK受験は、中国語学習の節目として大きな意味を持ちます。私自身、最初は「単語暗記さえすれば大丈夫」と思って失敗しましたが、実際には語彙力・リスニング力・時間配分・作文・メンタル管理と、総合力が問われる試験でした。役立った勉強法は「語彙の反復」「精聴練習」「模試の活用」、一方で失敗したのは「時間配分を軽視」「作文の準備不足」「緊張対策の欠如」でした。
こうした経験を通じて学んだのは、知識だけでなく試験戦略やメンタル準備も含めてトータルで対策する必要があるということです。これからHSKを受験する人は、私の成功と失敗の両方を参考にして、より効率的で実践的な学習を進めてほしいと思います。