こんな方におすすめ
- 英語や中国語を独学している人
- 留学すれば外国語を自然に話せると思っている人
- 独学による外国語学習の限界を感じている人
外国語を話せるようになるには、海外留学が必要だと思っている人は少なくありません。
英語を身につけるなら英語圏へ行く。中国語を伸ばすなら中国や台湾へ留学する。現地で生活し、
毎日外国語を使えば、自然に話せるようになる。
確かに、留学には大きな利点があります。
外国語を使わなければ生活できない環境に入り、教室以外でも言葉を聞き、話す機会が増えます。
日本では出会えない発音や表現、文化的な感覚にも触れられます。
しかし、留学しなければ外国語を話せないわけではありません。
私は長期の語学留学を経験していませんが、英語と中国語を学び、TOEIC825点、HSK6級を取得しました。
中国輸入や海外取引を通じて、中国の取引先とは中国語、ヨーロッパの取引先とは英語で、メールや電話のやり取りも行ってきました。
外国語の基礎は、日本にいても十分に身につけられます。
単語、文法、発音、読解、リスニングなどは、教材、動画、音声、オンラインサービスを使えば学べます。
一方で、独学だけでは伸びにくい部分があることも事実です。
相手の予測できない質問に反応する力。
伝わらなかったときに言い換える力。
会話の流れへ入るタイミング。
相手との距離感や文化的な反応。
これらは、教材を読んでいるだけでは身につきにくいものです。
この記事では、語学留学をしなくても外国語を話せる理由と、独学だけでは不足しやすい部分を
どのように補えばよいのかについて考えます。
目次
1.外国語の基礎は、日本にいても十分に身につけられる
外国語学習の基礎は、海外へ行かなければ学べないものではありません。
単語、文法、発音、読解、聞き取りなどは、日本国内でも学習できます。
現在は、紙の教材だけでなく、動画、音声配信、オンライン授業、会話アプリなど、外国語へ触れる方法が数多くあります。
英語や中国語のニュース、ドラマ、インタビュー、学習動画も、日本にいながら視聴できます。
学習者向けのゆっくりした音声だけでなく、実際にネイティブが話している自然な会話にも触れられます。
発音についても、口の形、舌の位置、息の使い方、声調などを説明する教材があります。
自分の音声を録音し、ネイティブの音声と比較することもできます。
外国語の基礎を作るうえで、重要なのは居住地より学習の継続です。
海外へ行っていても、日本人同士で行動し、授業以外では外国語を使わなければ、伸びないことがあります。
反対に、日本にいても、毎日音声を聞き、文章を読み、自分で話し、外国人とやり取りしていれば、力は伸びます。
私は中国語を大学で学びましたが、留学だけに頼って身につけたわけではありません。
発音、語彙、文法を繰り返し学び、その後も中国輸入や取引先との連絡の中で使い続けました。
英語についても、海外生活をしなければ身につかないと考えるのではなく、必要な内容を独学で積み重ねました。
資格試験の勉強も、基礎力を伸ばすうえでは役立ちます。
TOEICやHSKへ向けて学ぶことで、自分だけでは選ばなかった語彙や文法にも触れられます。
学習範囲を広げ、理解度を確認する基準にもなります。
留学していないことを、外国語が話せない理由にする必要はありません。
日本にいても、外国語を学べる環境は十分にあります。
ただし、教材を集めるだけではなく、毎日どのように外国語を使うかを決める必要があります。
留学では、環境が強制的に外国語を使わせてくれます。
独学では、その環境を自分で作らなければならないのです。
2.独学だけでは、予測できない会話への対応力が育ちにくい
独学には、自分のペースで進められるという利点があります。
分からない部分を何度も確認でき、苦手な内容へ時間をかけられます。
しかし、自分のペースで学べることは、弱点にもなります。
独学では、学習者が内容を選べるからです。
得意な教材を繰り返し、苦手な会話を避けることもできます。
音声が難しければ止める。
分からなければ字幕を見る。
話したくなければ、読むだけで終える。
このような学習を続けても、知識は増えます。
しかし、実際の会話では相手を止められません。
相手が何を質問するかも選べません。
予想していなかった話題が出れば、その場で考えて返答する必要があります。
独学だけでは、この予測できない反応への訓練が不足しやすくなります。
自分で作った例文では、使いたい単語も文法も分かっています。
しかし、相手との会話では、自分が覚えていない言葉や、考えていなかった角度から質問されます。
そのときに必要なのは、完璧な文章を作る力だけではありません。
分からないことを聞き返す。
簡単な言葉へ言い換える。
少し考える時間を作る。
誤解されたら説明し直す。
こうした対応力です。
また、会話にはタイミングがあります。
相手が話し終わる前に割り込むのか。
相づちを入れるのか。
沈黙して考えてよいのか。
話題を変えるときに何と言うのか。
これらは、文法書には詳しく書かれていません。
実際に人と話し、失敗しながら調整していく部分です。
独学で文章を作ることと、人との会話で使うことには差があります。
知識を持っていることと、その場で使えることも別です。
だからこそ、独学を続けながら、定期的に他人と話す機会を作る必要があります。
留学しなくても、オンライン英会話、中国語会話、言語交換、外国人との仕事、旅行者との交流などを利用できます。
重要なのは、長時間話すことではありません。
自分の予測どおりに進まない会話を経験することです。
3.留学の価値は、外国語の知識より「逃げられない環境」にある
語学留学の最大の価値は、外国語を教えてもらえることだけではありません。
外国語を使わなければ生活できない環境に入ることです。
店で注文する。
交通機関を利用する。
家の契約をする。
体調不良を説明する。
学校や職場で質問する。
生活の中で、外国語を避けられない場面が次々に起こります。
日本で独学している場合、外国語が出てこなくても、日本語で生活できます。
話す練習をしない日が続いても、大きな問題は起きません。
しかし海外では、伝えられなければ自分が困ります。
この必要性が、外国語を実際に使う量を増やします。
また、留学では、教科書どおりではない人と出会います。
話す速度が速い人。
訛りがある人。
説明が分かりにくい人。
学習者に慣れていない人。
こうした相手と接することで、きれいな教材音声だけでは対応できない現実を知ります。
さらに、言葉だけでなく、文化的な違いにも直面します。
日本では丁寧に感じる表現が、海外では遠回しすぎることがあります。
反対に、相手の直接的な言い方を、冷たい、失礼だと感じることもあります。
外国語は、単語と文法だけで成立するものではありません。
相手との距離感、表情、声の強さ、会話の進め方なども含まれます。
留学は、こうした感覚を身につける機会になります。
ただし、海外にいるだけで自動的に身につくわけではありません。
日本人同士で過ごし、現地の人との接触を避ければ、逃げられない環境ではなくなります。
留学の効果は、海外にいる期間より、どれだけ外国語を使う必要のある行動をしたかで変わります。
つまり、留学の本質は、場所ではなく環境です。
その環境の一部は、日本でも再現できます。
スマートフォンやパソコンの設定を外国語にする。
毎週オンライン会話を予約する。
仕事や趣味で外国人と関わる。
外国語でしか情報を得られないテーマを持つ。
海外旅行では、日本語サービスだけに頼らない。
自分が外国語を使わなければ前へ進まない状況を、意識的に作ることです。
4.独学と実践を分けず、同時に進める方が伸びやすい
外国語学習では、基礎を完全に身につけてから会話を始めようとする人がいます。
単語を十分に覚える。
文法を一通り終える。
発音を完璧にする。
その後で、外国人と話す。
しかし、この順番では、実践を始める時期がいつまでも来ません。
外国語の基礎に完成はないからです。
単語を覚えても、知らない言葉は必ず出てきます。
文法を学んでも、会話では例外や省略があります。
発音も、使いながら修正していく必要があります。
独学と実践は、別々の段階ではありません。
同時に進めた方が効果的です。
例えば、独学で覚えた表現を、その週のオンライン会話で使ってみます。
通じなかったら、発音や使い方を確認します。
相手が使った知らない表現を、会話後に調べます。
次の会話で再び使います。
この繰り返しによって、教材の知識と現実の会話がつながります。
私自身も、仕事で外国語を使うことで、独学だけでは気づかなかった課題が見えました。
知っているつもりだった単語が、電話では聞き取れない。
文章では書けても、会話ではすぐに出てこない。
自分の説明が長すぎて、相手に伝わりにくい。
こうした問題は、実際に使わなければ分かりません。
反対に、実践だけでも伸びにくい部分があります。
同じ簡単な表現だけで会話を続けていると、語彙や文法が広がりません。
相手に通じているからといって、正確な表現を学ばなくなることもあります。
実践で見つけた弱点を、独学で補う必要があります。
独学で基礎を作り、実践で不足を見つける。
実践で困った内容を、再び独学へ持ち帰る。
この往復が重要です。
留学するか、独学するかの二択ではありません。
留学しなくても、独学と実践を組み合わせれば、外国語を使える状態へ近づけます。
まとめ
語学留学をしなくても、外国語は話せるようになります。
単語、文法、発音、読解、リスニングなどの基礎は、日本にいても学べます。
現在は、動画、音声、オンライン授業、会話サービスなど、外国語へ触れる方法も豊富です。
留学経験がないことを、外国語ができない理由にする必要はありません。
一方で、独学だけでは伸びにくい部分があります。
相手の予測できない質問に反応する。
聞き取れなかった部分を確認する。
伝わらなければ言い換える。
会話の流れへ入り、相手との距離感を調整する。
これらは、実際に人と話さなければ身につきにくい力です。
語学留学の価値は、海外の学校で授業を受けることだけではありません。
外国語を使わなければ生活できない環境に入り、教材どおりではない人や状況へ対応することにあります。
しかし、その環境の一部は日本でも作れます。
定期的にオンライン会話を利用する。
外国人と仕事や趣味で関わる。
外国語で情報を集める。
旅行では日本語だけに頼らない。
自分が外国語を使わなければ前へ進まない状況を用意することです。
独学か留学か、どちらか一つを選ぶ必要はありません。
独学で基礎を作り、実践で使い、失敗を独学へ持ち帰る。
この往復によって、外国語は知識から実用的な道具へ変わります。
留学しなければ話せないという考えも、独学だけですべて身につくという考えも、どちらも極端です。
外国語を伸ばすのは、住んでいる国ではありません。
学んだ言葉を、現実の相手に対して何度使ったかです。