会話力 外国語学習

TOEIC800点でも海外生活で英語に困る?銀行・Wi-Fi契約で分かる実践英会話の落とし穴

内山剛@外国語楽習30年

2006年 東京外国語大学中国語学科卒
山口県ゆめ回廊通訳案内士(中国語、英語)
HSK6級195点(2021年)TOEIC825点 (2022年)

現在は韓国語、ベトナム語を独学で学習する独男。

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このブログを通じて皆様のお役に立てたらと思っています。

こんな方におすすめ

  • TOEICで700〜900点程度あるのに英会話に自信がない方
  • 英語の読み書きはできるのに対面会話が苦手な方
  • 実際の生活場面を想定した英会話を身につけたい方

TOEICで800点以上取れる人なら、海外生活でも英語には困らない。

そう思っている方は少なくないかもしれません。

しかし、実際に海外で生活を始めると、資格試験のスコアだけでは測れない英語力が必要になることに気づきます。

私は以前、TOEICで820点を取得しました。また、英語を使用する仕事にも携わってきました。

それでも海外生活を始めると、銀行口座の開設、住居に関する手続き、Wi-Fiの設置など、

日本で生活していた頃には想定していなかった英語の使い方が必要になります。

 

相手の説明を聞くだけではなく、自分から質問する。曖昧な説明を確認する。手続きが進まない理由を尋ねる。

こうした能力は、英単語や文法を知っているだけでは十分とはいえません。

今回は、マレーシアでの生活経験も踏まえながら、TOEICのスコアと海外生活で求められる実践英語の違いを解説します。

 

1. TOEICの高得点と海外生活での会話力はなぜ一致しないのか

まず理解しておきたいのは、TOEICのスコアが高いことと、英語で何でも対応できることは同じではないという点です。

一般的なTOEIC Listening & Reading Testは、英語を聞いて理解する能力と、英文を読んで理解する能力を測定する試験です。

一方、英会話では、その場で自分の考えを整理し、適切な表現を選び、相手に伝える能力も必要になります。

例えば、TOEICのリスニング問題では、録音された会話を聞いて選択肢から正解を選びます。

 

ところが、海外の銀行窓口では状況が違います。

銀行員から予想していなかった質問をされた場合、自分で返答しなければなりません。

さらに、説明を理解できなかった場合は、相手に聞き返す必要があります。

例えば、次のような質問です。

"Do I need to submit any additional documents?"

追加で提出する書類はありますか?

"How long does the approval process usually take?"

承認手続きには通常どれくらい時間がかかりますか?

"What happens if my application is rejected?"

申請が却下された場合はどうなりますか?

これらは特別に難しい英文ではありません。

しかし、実際に窓口で会話していると、相手の説明を聞きながら次の質問を考える必要があります。

 

英語を理解する能力と、自分から会話を組み立てる能力は、重なり合う部分がありながらも同一ではないのです。

また、海外生活では英語を母語としない人と会話する機会も多くあります。

特にマレーシアのような多民族・多言語社会では、英語の発音や話す速度、表現の選び方が相手によって異なる場合があります。

教科書や試験教材で聞き慣れた英語とは違うため、最初は戸惑うこともあるでしょう。

 

だからといって、これまでの試験勉強が無駄だったわけではありません。

TOEICで身につけた語彙力や文法理解、リスニング能力は、海外生活でも重要な基礎になります。

ただし、その知識を実際の会話で使える状態へ変えていく練習が必要なのです。

私自身、海外生活で求められる英語力は、単に英語を知っていることではなく、その場で必要な情報を聞き出し、

自分の目的を達成する能力だと考えています。

2. 銀行・Wi-Fi・住居契約で必要になる「確認する英語」

海外生活を始めると、日常会話よりも手続きに関する英語の重要性を感じる場面があります。

例えば、銀行口座を開設する場合です。

必要な書類を提出して終わりというわけではなく、口座が利用可能になる時期、デビットカードの発行、

オンラインバンキングの設定など、複数の確認事項が発生する可能性があります。

こうした場面で重要なのは、一度の説明ですべてを理解しようとすることではありません。

必要な情報を整理して、順番に確認することです。

 

例えば、口座開設の手続きが進んでいるのかを確認する場合には、次のように質問できます。

"Could you confirm whether my application has been approved?"

私の申請が承認されたか確認していただけますか?

また、Wi-Fiの設置では別の種類の英語が必要になります。

設置予定日を確認するだけでなく、手続きが遅れている原因や、誰が次の対応をするのかを確認する必要がある場合もあります。

例えば、

"Is there anything that needs to be confirmed with the building management?"

建物の管理事務所に確認しなければならないことはありますか?

"Who is responsible for the next step?"

次の手続きは誰が担当するのでしょうか?

"When can I expect the installation to be completed?"

設置はいつ頃完了する見込みですか?

このように、単に現在の状況を尋ねるだけでなく、次の行動を明確にする英語が重要になります。

 

住居契約でも同様です。

家賃や保証金の金額を理解するだけでは不十分な場合があります。

電気代や水道代、インターネット料金、退去時の条件などを事前に確認しなければ、後から認識の違いが生じる可能性があります。

例えば、

"Is the electricity bill included in the rent?"

電気代は家賃に含まれていますか?

"Under what conditions will the security deposit be refunded?"

どのような条件で保証金が返金されますか?

といった質問です。

 

私が特に重要だと思うのは、「相手の説明を聞いた」という事実と、「必要な条件を理解した」という状態を区別することです。

例えば、相手から「問題ありません」と説明されたとしても、それだけではいつ完了するのか、

追加費用が発生するのかまでは分かりません。

海外生活では、こうした曖昧さを自分から解消する必要があります。

実践英語とは、英語で会話を続ける技術であると同時に、情報の不足を見つけ、相手に確認する技術でもあるのです。

3. 相手の説明が分からないとき、聞き返すだけでは不十分な理由

英会話の勉強では、相手の話が分からなかった場合の表現として、

"Could you say that again?"

もう一度言っていただけますか?

というフレーズをよく学びます。

もちろん、これは実際の会話でも非常に役立ちます。

しかし、同じ説明をもう一度聞いたとしても、理解できるとは限りません。

例えば、銀行員が口座開設の条件について、専門的な単語を使いながら説明している場合です。

説明が速すぎたのであれば、ゆっくり話してもらうことで解決するかもしれません。

 

しかし、知らない単語や制度が原因で理解できないのであれば、同じ説明を繰り返してもらっても状況は変わりません。

そのような場合には、質問の方法を変える必要があります。

"Could you explain that in simpler terms?"

もう少し簡単な言葉で説明していただけますか?

"Could you give me an example?"

具体例を挙げていただけますか?

"Does that mean I need to visit the bank again?"

つまり、もう一度銀行へ行く必要があるということでしょうか?

最後の例で重要なのは、相手の説明を自分なりに解釈し、その理解が正しいか確認している点です。

この方法は、英語の会話力が十分でない段階でも非常に役立ちます。

例えば、相手が長い文章で説明した場合、その内容を短い一文にまとめて確認します。

"So, I just need to wait for your confirmation. Is that correct?"

つまり、そちらからの確認連絡を待てばよいということですね?

こうした確認ができれば、聞き取れなかった部分が多少あっても、重要な情報を押さえられる場合があります。

 

また、説明を聞いている途中で、理解できた部分と理解できなかった部分を区別することも大切です。

例えば、必要書類については理解できたものの、提出期限だけが分からなかった場合です。

そのようなときは、最初から説明をやり直してもらうのではなく、

"I understand which documents I need, but could you clarify the deadline?"

必要な書類は理解しましたが、提出期限をもう少し説明していただけますか?

と質問できます。

このように具体的に伝えることで、相手も回答しやすくなります。

さらに、金銭や契約に関わる重要事項については、口頭説明だけでなく、メールや書面で確認することも検討すべきです。

"Could you send me the details by email?"

詳細をメールで送っていただけますか?

英語が流暢であることと、手続きを正確に進められることは、必ずしも同じではありません。

特に重要な契約や支払いに関しては、理解したつもりで話を進めないことが大切です。

会話が分からないときに必要なのは、何度も聞き直す勇気だけではなく、質問の角度を変える能力なのです。

4. 海外生活で本当に使える英語を独学で身につける方法

 

海外生活で使える英語を身につけるために、必ずしも難しい教材を購入する必要はありません。

重要なのは、実際に発生する場面を想定して、英語を使う練習をすることです。

例えば、翌日に銀行へ行く予定があるとします。

その場合、銀行口座に関連する英単語を大量に暗記するよりも、窓口で自分が質問したい内容を

5つ程度準備する方が実用的な場合があります。

まず、日本語で確認事項を書き出します。

「必要書類は何か」「口座はいつ使えるか」「カードは当日受け取れるか」「オンラインバンキングはいつ設定できるか」などです。

次に、それらを英語へ変換します。

そして、文章を読んで終わるのではなく、実際に声に出して練習します。

ここでおすすめしたいのが、想定外の回答への対応も練習することです。

 

例えば、相手から、

"You need to provide an additional document from your employer."

雇用主から追加の書類を提出する必要があります。

と言われたら、どう返答するでしょうか。

"Could you tell me exactly which document is required?"

具体的にどの書類が必要なのか教えていただけますか?

このように、最初の質問と、それに対する回答、さらに追加確認までを一つの会話として練習します。

また、AIとのロールプレイも活用できます。

AIに銀行員やインターネット会社の担当者役をしてもらい、自分は利用者として英語で質問します。

重要なのは、あらかじめ正解の台本を見ながら話すのではなく、予想していなかった質問にも答えることです。

例えば、10分間の練習であれば、最初の3分で確認事項を整理し、次の5分でロールプレイを行い、

最後の2分で言えなかった表現を復習します。

 

さらに、実際の生活で使用した英語を学習ノートへ記録すると、次回以降に活用できます。

ただし、すべての会話を記録する必要はありません。

自分が言えなかった表現、相手の説明を理解できなかった場面、確認しておけばよかった質問などに絞るとよいでしょう。

海外生活では、生活上のトラブルがそのまま語学学習の題材になることもあります。

そして、身につけた表現を別の場面でも応用できるようにすることが重要です。

例えば、

"Could you confirm whether...?"

という表現は、銀行だけでなく、配送状況の確認や住居の管理事務所との連絡でも使用できます。

場面ごとのフレーズを暗記するだけでなく、共通する会話の型を覚えておくと、初めて経験する手続きにも対応しやすくなります。

 

海外生活で本当に役立つのは、完璧な英文を覚えることではなく、不測の事態でも自分の意思を伝えられる英語力です。

まとめ

TOEICで高得点を取得していても、海外生活で必要な英語をすべて使いこなせるとは限りません。

その理由は、TOEICで測定される能力と、実際の生活で求められる能力が完全には一致しないからです。

銀行、Wi-Fi、住居契約などでは、相手の説明を聞くだけでなく、疑問点を確認し、自分に必要な情報を引き出すことが重要になります。

また、相手の説明を理解できなかった場合は、単に繰り返してもらうだけでなく、説明方法を変えてもらったり、

自分の理解を確認したりする工夫が必要です。

 

英語の学習では、試験対策で身につけた基礎を活かしながら、現実の場面を想定したアウトプットを増やしていきましょう。

英語が完璧でなくても、必要な質問ができ、相手と認識を合わせることができれば、海外生活で対応できる場面は増えていきます。

英語力の本当の価値は、何点取れるかだけではなく、その英語で何ができるかにあるのではないでしょうか。

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2006年 東京外国語大学中国語学科卒
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